多段階発がん説

2013.08.22

おはようございます。

まだ猛暑日が続いています。雨も降りません。
さすがにうんざりです。

肝癌は、肝硬変の再生結節が,異型結節になり、さらに
早期肝がんとなり、典型的肝癌になると信じられています。
これを多段階発がん説といいます。

このため、エコーで見える結節は、ほとんど癌に関連するものと
考えられ、細い針生検で少し細胞密度が多いものは早期肝がんとされ
RFAやPEITがされてきました。ところが細い針生検の所見では
良性結節と鑑別が難しいことがわかり、
2009年、間質浸潤(stromal innvasion)
があるものを早期肝がんとするというように決まりました。
早期肝がん 間質浸潤

私は2000年から2007年までの間、650例を超える慢性肝疾患患者さんを
丁寧にフォローし、115個の2cm以下の肝がんを見つけ
すべてアンギオCTしました。すると早期肝がんはたった8個しかなく
残りの107個は前結節なしではじめから典型的肝癌でした。

8個の早期肝がんのうち2例は切除してもらいstromal innvasionのある
早期肝がんであることを確かめ、のこりは典型的肝癌になるまで
フォローしました。0.8年から5.5年の経過で典型的肝癌になりましたが
その間、ほとんど増大せず転移もありませんでした。

早期肝がんにはガンとしての性質はないのです。
困ったことに、最近はまた依然と同じように早期肝癌を治療したがる
医者が増えつつあります、それが早期肝がんならまだゆるせますが
造影MR検査でlow,lowに見える結節はすべて早期肝がんと思っている
医者が多くいて困っています。これらの20%ぐらいは2年以内に消えます。

早期肝癌を治療すれば治療成績は当然よくなります。

さて、今日も2例手術があります。
休み明けで疲れが出ていますが、ガン張ります!
---------------------------------------------------------
◆ブログランキングに参加してみました。
 皆様の応援がこれからの励みになりますので
 よろしければ、下記バナーを1日1回、クリック頂けますと幸いです。
 これからもよろしくお願いいたします。

  ◆にほんブログ村へ    →  にほんブログ村 病気ブログへ

  ◆人気ブログランキングへ →  人気ブログランキングへ
   
                   人気ブログランキングへ

  ◆FC2 Blog Rankingへ   →