変な国、日本~C型肝炎ウィルスの新薬について~

2011.02.11

こんばんは。

肝臓を専門として30年、臨床をつづけていますと
変だなと思うことがたくさんあります。
胡蝶蘭を頂きました、ありがとうございます。 きれいな色ですね

例えば、肝炎ウイルスの薬は、総て海外の
メーカーが開発し、海外の研究者、医者が
色んな研究、臨床をすませて、薬となります。

その後、日本のお薬になるためには、おなじ治験をして
数年おくれで、高価な薬として、やっと日本の
患者さんに、使用できるのです。

そして、その日本での治験にたずさわった医者が
大きな顔をして、学会を牽きいます。

今回、珍しく、C型の新薬
「プロテアーゼ阻害薬 テラプレビル」が、
海外とあまり変わらない時期に使用できるようになり、
C型の治癒率は向上しますので、
患者さん達には、朗報です。

ところが、海外では、もうひとつ「ボセプラビル」が
フェイズⅢの治験が終わり、薬になるのを待っています。
従来の治療での、再燃例が、半年の治療で半数以上が
治癒したと、報告されています。

こちらの薬は、日本で使用できるのは
4, 5年先になるとのことで
やはり、変な国、日本です。

このお薬は、C型肝炎ウイルスを発見して、はじめて
インターフェロンを開発した会社が、研究しています。

先進国(?)の中で、一番肝癌死亡の多い国が日本ですので
せめて、肝臓病は、世界をリードしたいものです。

奥田先生がご存命だったらと、つくづく思います。

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