アジア太平洋肝臓学会(APASL) その4、早期肝癌の臨床像

2011.12.11

こんばんは。

今回の済州島でのAPASLの肝癌シングルトピック
カンファレンスで3題発表しましたが、
その一つが、早期肝癌の臨床像についてです。

以前にもブログで書きましたが、2009年やっと
早期肝癌の定義が決まり、境界不明瞭で間質浸潤があり
まだ血管新生の無い結節を早期肝癌とするとなりましたが
早期肝癌とはどのようなものか、はっきりとは分かっていません。

典型的早期肝癌 間質浸潤
それで2000年から2008年までの間に、659例の
慢性肝疾患の患者さんを丁寧にフォローして
115個の2cm以下の小肝癌を見つけて、総てを
アンギオCTしました。

結果、115個の小肝癌のうち、たった8個しか
早期肝癌はありませんでしたし、残りの107個は、どのように
小さくても典型的肝ガンとして、出現しました。

8例の早期肝癌は2個は切除され(1例は少し大きくなりました)
1例は、生検で高分化肝ガンがでましたのでRFAをしてもらい
残りは典型的肝ガンになるまで経過を見ましたが

0.8年から5.5年の経過で典型的肝ガンになり、治療しました。
その間、早期肝癌は少し大きくなるものもありましたが
転移はしませんでした。

もともと、早期肝癌と良性の異型結節とは、組織がよく
似ていますので、細い針生検だけでは、正確な診断は難しいのです。

早期肝癌のこのような臨床像を理解して
どのように診断するか、どのようにあつかうか
コンセンサスが必要です。

良性結節を治療して、ある治療の治療成績のみかけを
良くし、報告されてきましたので、そのようなことが無いように
しなければなりません。

どのような治療も身体には負担がかかり、
合併症で命をなくすこともあります。

何がガンかはっきりさせる必要があります。

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