肝臓ガンについて-1

2010.01.12

こんにちは。

今日は私が30年以上格闘して来た、肝臓ガンについてお話をいたします。

肝臓ガンと申しましても 肝臓からでたもの、
他の臓器から転移して来たもの等がありますが、
私が一番専門としているのは肝細胞がガンになった
肝細胞ガン(HCC)です。

(以下、肝細胞がんをHCCとします。)
HCCでは、1年間に約3万2千人の日本人が死亡し、
全世界では1年間に50万人以上が死亡しており、
HCCの多くはC型、B型の肝炎ウィルスの感染により発生します。

治療としては、外科切除、ラジオ波治療(RFA)、私が30年以上
行って来た肝動脈塞栓術(TACE)や肝移植 等があります。

■外科切除では、
 ガンを切除し取り除く治療ですので、
 ガン治療の基本と言っていいのですが、
 肝臓はなくては、人は生きれない臓器ですので、
 その人の肝臓能力と、HCCの広がりによって、
 手術できる人が限られています。
 最近は外科切除が原因として死亡される患者さんは
 少し少なくなりましたが、HCCはうまく切除できても
 5年以内に約80%が再発します。


■ラジオ波治療では、
 現在、日本だけでなく世界中でもてはやされている治療ですが、
 どういう訳か、私の周りではラジオ波治療の後、
 ガンが広がりリンパ節に転移をするケースや
 エコー下で針をガンにさすのですが、そのさした胸腹壁に
 再発したり、どうも経過が良くありません。
 動脈と言う血管の固まりであるHCCに針をさすのは、
 注意が必要と思っています。


■肝移植については
 移植となりますと高価でありますし、日本では生体肝移植が
 主ですのでいろんな意味で問題があります。
 当医院(医療法人岩本内科医院)では今まで3人の患者さんに
 移植をしてもらいましたが、現在元気な人は1人だけになりました。
 手術後の再発の問題や手術そのものが難しく、
 まだまだ問題があると思っていますが、今後進めて行かないといけない
 治療方法と思っています。

 
次回は、私が専門として来た肝動脈塞栓術(TACE)について
説明したいと思います。


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