肝動脈塞栓術と門脈動脈同時塞栓療法との違い
2013.12.03
おはようございます。
昨日は何かと忙しい外来でした。肝癌や乳がんの患者さんも
来られましたが、乳がんの患者さんは肝転移より
他の転移の方がひどく、抗がん剤治療をすすめました。
私が30年以上続けてきた肝動脈塞栓術は、今や
肝癌治療で最も行われている治療ですが、限界もあります。
平成2年開業しましたが、始めに行った仕事は、当時頑張っていた
亜区域塞栓術の効果を確かめることでした。開業して2年間
肝機能の良いステージIIまでの肝がんは、私が塞栓術をして
全員外科切除をしてもらい、切除標本を見せてもらいました。
すると、亜区域塞栓術をきちんとすると67%に肝癌の完全壊死が
みられましたが、スポンゼルを使わないいわゆるケモリピでは
肝癌に壊死はほとんどみられませんでした。
同時に肝機能の悪い外科切除のできないステージIIまでの
肝癌は亜区域塞栓術をして、外科切除群と予後の比較をしました。
すると、両群に生存率の有意差はありませんでした。ただ10年生存率は
10%位しかなくとうてい満足できるものではありませんでした。
門脈動脈同時塞栓術になり、ステージIIまでの10年生存率は
50%になって、世界のトップクラスの成績が得られるようになりました。
私のこれからの仕事はこの治療を標準化していくことだと思っています。
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肝癌治療で最も行われている治療ですが、限界もあります。
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肝機能の良いステージIIまでの肝がんは、私が塞栓術をして
全員外科切除をしてもらい、切除標本を見せてもらいました。
すると、亜区域塞栓術をきちんとすると67%に肝癌の完全壊死が
みられましたが、スポンゼルを使わないいわゆるケモリピでは
肝癌に壊死はほとんどみられませんでした。
同時に肝機能の悪い外科切除のできないステージIIまでの
肝癌は亜区域塞栓術をして、外科切除群と予後の比較をしました。
すると、両群に生存率の有意差はありませんでした。ただ10年生存率は
10%位しかなくとうてい満足できるものではありませんでした。
門脈動脈同時塞栓術になり、ステージIIまでの10年生存率は
50%になって、世界のトップクラスの成績が得られるようになりました。
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