ストレスで癌の転移が増える!? 論文紹介

2015.12.08

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おはようございます
2代目ガンちゃん先生です


2代目ガンちゃん先生は
岩本内科医院で
カテーテルを用いて肝臓癌治療、転移性肝臓癌を
積極的に行っています



進行癌の治療を行うにあたり、
いつも気になる点があります


それは
癌は患者さんの身体だけで無く
心までも蝕もうとする点です



当然ですが、
癌を患うという事は
非常に精神面でも負担になりますので、


眠れなくなったり、
常に不安を感じたり、
抑うつ的になったり、
と様々な影響を及ぼします



ですので、
癌患者さんにおける
精神的ストレスの影響を知る事や、
その緩和法は
癌治療に直接つながる可能性があります




さて・・・・
今日は
ちょっと変わった研究論文を
見つけたのでご紹介させて下さい



プロスワンと呼ばれる雑誌に
掲載されていた論文です


タイトルは
Effect of Chronic Psychological Stress on Liver Metastasis of Colon Cancer in Miceという事で、

訳すと、
実験マウスモデルを用いた大腸がん肝転移における慢性的な精神的ストレスの影響
という感じでしょうか

内容は、

ネズミに慢性的にストレスを与えた状態と
そうでない状態で、


大腸がんの肝転移が
増えるか減るかを比較したという内容です



結果は、

ストレス 肝重量


慢性的なストレスを与えると、
大腸がんの肝転移が増えたという
結論でした



どの様に慢性的なストレスを与えたかと言うと、
・・・・

毎日6時間ほど、
全く動けないレベルの狭い入れ物に
ネズミを閉じこめて
ストレスを与えた様です



いつも活発にうごくネズミの事を考えると
相当な精神的なストレスだと思います・・・・



どうして、
ストレスを与えたマウスの方が
転移が多くなったかについては・・・



閉じ込める事によって、
緊張状態で分泌されると言われる
アドレナリン
マウスの体内で増加し、

ストレス カテコラミン


そしてその増加したアドレナリンが
転移を促進すると報告しています



逆にそのアドレナリンを抑える
βブロッカーと呼ばれる薬剤を投与すると
転移が抑制されたそうです


論文そのものは、
癌患者さんの精神的ストレスと
マウスを閉じ込めた事による精神的ストレスが
一緒なのか?
とか
突っ込みどころ満載の論文だと思いますが



まとめ ストレス 転移

ストレス下にある状態そのものが、
身体の様々なバランスを崩し、
結果、癌を悪くするという事が
起こり得ることを示唆していて、

興味深い論文だと思いました




実社会では、
精神的なストレスなど、
あまり目に見えないものは軽視されがちですが、

実は重要な作用を示している事も
あるのだと思います



最良の医療、最良の癌治療の提供には
この領域の知見も深めていかないといけないと
思っています


今日は・・
岩本内科で
外来と肝臓癌の治療です

気合いをいれて
ガンばりますか!

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