肝臓がんの治療の問題点・・・パート3

2014.09.02

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今日は、肝臓がんの治療における問題点について・・

肝臓がんの治療には
外科的切除術
ラジオ波焼灼療法
肝動脈塞栓術
肝動注化学療法
放射線療法
ネクサバール(血管新生抑制剤)

などがあります。

治療は肝臓がんの状態、肝臓の状態によって
選ばれます

どの治療方法においても
中途半端な治療をすると
ガンは
さらに大きくなったり
肝臓内外へ転移を起こしたり
・・
癌そのものの性質をより悪いものに変えます

これは、初代ガンちゃん先生も
このブログで、何度も言っていたと思います

なぜ、中途半端な治療は
ガンを悪化させるのか??

今日はその理由の一つを
考察したいと思います

そのキーワードは
“低酸素”です

低酸素とは
酸素濃度が周囲と比べて低い状態のことを示します

酸素は細胞にとって必要な不可欠なものです
酸素濃度が低い状態になると
細胞は死んでしまうので・・・

低酸素状態に対して
耐えるため
そして、
酸素を供給してくれる血管を得るために

様々な増殖因子と呼ばれる物質を出します


例えて言うなら・・・
ご飯が来なくなったので
あちこちに
大騒ぎしている様な状態です・・・
・・・逆に分かりにくいか・・?・・・

中途半端な治療を行うと
残存した癌細胞を低酸素状態にしてしまいます

低酸素状態にさらされた癌細胞は
たくさんの増殖因子を出し
新しい血管を呼び込もうとします

また、低酸素状態に耐える為に
より強い癌細胞へと性質を悪化させます

この現象には・・・一つの重要な因子が関与しています

低酸素状態になると
癌細胞の中で、低酸素誘導因子 (Hypoxia inducible factor)と呼ばれる
物質が活性化されます

HIF1a
Frontiers in Bioscience 13, 2875-2887, January 1, 2008
HIFと書かれているのが低酸素誘導因子です

その因子が活性化されると
たくさんの増殖因子が連動して
活性化されることが分かっています

血管新生(血管を呼び込む)
増殖のサポート
細胞死から免れる
など・・・さまざまな現象が
低酸素誘導因子の活性によって
引き起こされます

つまり、この低酸素誘導因子が
癌の一つの重要なカギなのです

この物質を活性化させて
ガンは治療に対して
生き残ろうとするのです

ですので、なるべく一度の治療、
もしくは短期の内に
しっかりと癌を治療しないといけないのです

もちろん、ガンの状態
患者様の状態を考慮すると
どうしても、一度で治療できないことも
あると思います

現在、基礎研究では
この低酸素誘導因子に対する治療薬も
研究されています

まだ、副作用の問題
他の正常細胞との区別など
多くの問題をクリアしなければなりませんが、
一つの有効な治療ターゲットと考えられています

基礎研究によって、
少しでもこのような実際の臨床の問題点を
解決できればいいのですが・・・

少なくとも、臨床をする医師も
このような基礎的知識を
知ったうえで治療を行えば・・
より、安全な治療が行えるかもしれません


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